ランの原種変異株の保存は難しい。
何故なのか???
  原種は故郷を忘れない!
  愛好とは残酷で・・・ランに過酷を強いる。
  ランからみれば・・・全てが想定外。
  ラン菌の生息していない用土での栽培は・・・
  日本の平地での猛暑下ではエネルギー不足が起こり、即夏ばてになるからである。
  日中の高温。
  夜間の高温。
  加えて強い紫外線・・・。
  光合成で作るエネルギーより・・・生長どころか細胞が生きるためのエネルギーすら賄い切れない。
  更に・・・紫外線で痛んだ細胞を修復するにも多大なエネルギーを必要とする。
  つまり「糖」「糖質」が足りない。
  水ゴケのようなラン菌のいない炭素循環のない栽培は「点滴」で生きているようなもの。
  こういう株が・・・猛暑に遭遇すれば・・・夏ばてするのは当然である。
  殆どの植物にとって日本の夏は暑すぎる!
  熱帯原産のイネですら・・・夏負けする!
  鉢に植える限り、水ゴケ、バーク、ヤシ繊維では・・・2,3年で植え替えなければならない。
  このとき、最もエネルギーを必要とするとき、水ゴケ、バーク、軽石には、
  自生地のような炭素循環がないためにエネルギー不足が起こる!
  これで作落ち・・・株の衰弱が起こる!
  この問題があるために、1970年代にランの切花栽培が行われたが・・・
  殆ど蘭園で挫折した。
  原種の変異株の保存が難しく・・・幻の花になっているのは、
  低温での生育不良より、高温下での光合成低下によるエネルギー不足衰弱である。
  プラントハンターは変異株をハントするが・・・・・
  日本で保存するのは・・・ラン菌のいない用土での保存は極めて難しい。
  水ゴケ栽培150年の歴史。
  未だに株衰弱、光合成の衰えを解決出来ない。
  恐らく今後も解決出来ないだろう・・・。
  点滴では菌根植物は健全な身体を作ることが出来ない。
  維持できないからである。
  生産と消費の中に生きるビジネス植物は、消費にあった生産をすればよいのであるが、
  自然が、神が創った原種の変異株は・・・市場で売れる株でないし、
  交配親として優れた遺伝子を持つものでもないだけに・・・・・
  その個体を保存するのは・・・よほどの執念を持った人でないと・・・難しい。
  エネルギー不足を燃えるようなコレクション熱と執念と技術を持たないと不可能だからである。

エネルギーが足りない!
電力が足りない!
原発事故後、エネルギーの問題が顕になった。
どうする????

エネルギーが足りない。
光合成だけでは足りない!
光独立自養植物でも・・・生長し種子を作るためのエネルギーは不足する。
特に栄養生長期に遭遇する猛暑、熱帯夜のおける呼吸作用で消費するエネルギーは、
光合成を超えて、生命活動を抑制せざるを得ない状態にまでなる。
植物に・・・・この問題は常に起こっている!
猛暑の年でなくとも・・・日本の夏には殆どの植物で「夏バテ」が起こる。
光合成で作る澱粉{エネルギー)より、夜に行う呼吸作用の消費が大きくなるためである。

そこで人間は科学の知恵を使う。
自然に逆らい挑戦した栽培が・・・一見進歩、革新的技術に見えることもある。
温室を冷房。
山上げして避暑。
太陽光線を遮断して植物工場。
高温で夏ばてするのであれば・・・・温度を・・・いかなる方法でも良いから低くすれば良い。
誠に単純明快な答えであるが・・・・
適地でない猛暑での栽培は・・・適地適産から見ると無理に無理を重ねる・・・
いづれもエネルギーを使うやり方である。
エネルギー多消費型の栽培法である。
更に窒素肥料を多く与えて・・・葉を株を大きくすればするほど、
夏負けが激しくなる。
自生地における植物は、リスクを小さくする生き方をしている。
温室でヌクヌクと育った植物ほど、猛暑には弱い。


目線を変えて・・・植物の生存技術を生存への進化から見てみよう。
自然に逆らっては植物は生きてゆけない。
自然に逆らわない進化の方向しか植物には残されていない!
そうしていくつかの方向・・・多様な生き方が生まれる
植物の自生地では人間の手を借りなくても生きてゆける!
充分な生育とはいえなくとも、子孫を残せるエネルギーは確保している。
そこには毎年新しい炭素・・・枯れ葉、死骸が生産されているからである。
材木腐朽菌がいる限りエネルギーが枯渇することはない。
それでも、植物は・・・想定外の事態に備えている

 高温に耐える葉、、茎、幹を備える。
 高温時に休む。
 夜間に光合成を行う。
 低温期間に生育し、高温時期に葉をなくす。(早春に開花する植物)
 秋に発芽し初夏に休眠する。
 生長速度を遅くする。
 大きい体にしない。
 水辺で生きる。
 高山で生きる。
 日陰で生きる。
 
菌と共生して生きる。
 はじめから葉を持たないで腐生の中で生きる。(腐生植物)

 ・・・・・・・
 ・・・・・・・・。
 人間が考えることと殆ど同じこと・・・進化している。
 節電時代は・・・植物から学べばよいようである。
 植物も生きて子孫を残すためにいろいろ考える。
 種族を残すには多大なエネルギーを消費するから・・・常日頃から節約に努めなければ・・・
 夏の猛暑で体が持たない。
 若い身体であれば・・・猛暑も乗り越えられるが・・・・
 植物には一つの矛盾を持っている!
 「老化」した身体でなければ・・・花を咲かせることが出来ない。
 老化とまでは行かないが・・・花熟・・・熟女・・・の体が必要である。
 つまり高温に弱い体である。
 子孫を残すには若い体だけではダメ奈のである。
 半分若さを保ち半分老化した体。

 ラン栽培は難しい!
 なぜ???
 半分若さを保ち半分老化した体。
 これを鉢植えで継続させるのは至難なのである。
 大面積になればなるほど難しくなる!
 ご趣味のラン栽培の秘術、技術は、大栽培のラン栽培には通用しないのである。
 同じラン栽培でも・・・全く別物、似て否なる技術である。
 何故なのか????
 その大きな原因が用土である。
 栽培に使用されている水ゴケ、バーク、軽石、ヤシ繊維・・・・は用土ではない!
 詰め物である。
 これに肥料を与え、水を与えて栽培する。人間でいえば「点滴」で生きている状態である。
 つまり・・・・菌根植物を「点滴」で・・・栽培していると同じである。
 例えば人間で・・・生まれたときから・・・点滴で一生・・・生きられるのかということ。
 猛暑。
 点滴で生きている病人は・・・・衰弱が激しい。
 点滴はあくまでも応急処置でエネルギーが充分でないからである。
 これと全く同じことが水ゴケ、バーク、軽石栽培のラン株に起こる!
 肥料では解決出来ない!
 澱粉・・・の問題だからである。
 根に糖、葉に糖を与えても殆ど吸収できない。
 ラン菌の生息しない用土では株の高温での衰弱を防止することは出来ない・・・・日本の平地では・・・。
 肥料というのは「適温」でこそ効果があるのである。夏ばての根は肥料を吸収が衰える。
 現在の点滴で生かすような栽培では、株の衰弱は必ず起こる現象である。
 作落ち。
 このリスクを水ゴケ栽培では回避できない。
 この株を元気回復させるのは・・・本当に難しい。
 猛暑の中では光合成が衰え、更に肥料という点滴で生かそうとするからである。
 植物がこのとき欲しいのは肥料ではない。
 澱粉が、糖が、糖質が欲しいのだ。

 近頃わかってきたことがある。
 植物はエネルギー調達を光合成にのみ頼っていないということ。
 別なルートを持っているということ。
 枯れ落ち葉、植物死骸の炭素を利用するというウラワザである。
 リグニン、セルロースを分解できる好気性菌の材木腐朽菌と共生し、
 そこから糖、糖質を調達して、夏場の光合成の衰えをカバーしている。
 植物の進化上での大問題は高温下でのエネルギー不足であった。
 前記したように、それに対応した種のみが生き延びることが出来た。
 その中で・・・ラン科植物は、
 菌と共生して生きる。
 はじめから葉を持たないで腐生の中で生きる。(腐生植物)

 
 この二つの進化に・・・・これまでクローズアップされてこなかった!
 無菌培養を進歩と評価しラン菌を削除してきた。
 ラン科植物というのは特殊な進化植物として片付けられてきた!
 この難しかった株の元気回復が、SUGOI-ne栽培で相当簡単に出来るようになった。
 ラン菌がSUGOI-neを分解し糖を作り、根に供給するからである。
 SUGOI-neのカラマツ、赤松、ブナ、ナラのリグニン、セルロースの炭素を利用。
 つまり、自生地におけるエネルギー供給システムを鉢内に構築できるようになったからである。
 猛暑下で光合成が衰え、エネルギーが不足する分を・・・
 節約するのでなく・・・・もう一つの別ルートでエネルギーを調達し、夏を乗り切る。
 SUGOI-neでそういうことが初めて可能になった。 
 ラン菌による炭素循環栽培法は、エネルギー不足を防止し、
 夏バテを起こさないようにする栽培法である。
 だからSUGOI-ne栽培は夏でも「元気」である。
 だからスゴイネ・・・と命名した。
 
エネルギーが足りない
      水ゴケ、バーク、軽石・・・栽培には夏ばてのリスクが・・
      光合成だけでは足りない。


      ランの原種変異株の保存は難しい。
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